昔ながらの街並みが生きる街、ソウル・北村（プクチョン）。「北村8景」と呼ばれる美しい情景に囲まれるこの街には、今もなお観光地色に染まっていない小さなお店が点々と立ち並んでいます。今回ワウソウルがご紹介するのは、よく見て歩かないと通り過ぎてしまいそうなほど街の景色と同化している韓国家庭料理のお店「トルダムチプ」です。さっそくご案内しましょう。

連日多くの外国人旅行者が行き交う北村の街にありながらも、お客さんはほとんど地元の韓国人のみ。まさに、知る人ぞ知るといった表現がぴったりのお店です。お店を運営するのは、アジュモニ（おばさん）とハルモニ（おばあさん）たち。外国語は通じませんが、人数に合わせて食事の用意をしてくれます。家庭の趣が生きる個室で、ゆったりと食事を楽しめます。

※ポイント韓国語
1人です（ホンジャエヨ）、2人です（トゥミョンイエヨ）、3人です（セミョンイエヨ）、4人です（ネミョンイエヨ）

※お支払いについて
食事代は1人あたり10,000ウォンです。カードでの支払いも可能ですが、カード支払いのための機械操作ができないハルモニしかいらっしゃらない場合もあるので、現金でのお支払いが無難です。

「オモニエソンマッ」といって、“おふくろの味”が自慢のこのお店。人数に合わせてテーブルいっぱいの料理が振舞われます。メニューは日替わりで、ひとつずつ手作りされているので、材料がなくなるとはやくにお店を閉めることもあるといいます。今や、韓国の家庭でも食べられる機会が少なくなった昔ながらの料理が楽しめる数少ないお店です。お魚やお肉など、メイン料理以外の小鉢は、いくらでもおかわりが自由です。

「トルダムチプ」を訪れたすべてのお客さんに「おなかいっぱいになってもらいたい！」というアジュモニたちの思いがひしひしと伝わってくる食卓。減っている小鉢はないか、様子を見にきてくれる姿にも、お母さんの真心が感じられます。温かい家庭の味が恋しくなった方、昔ながらの韓国の姿に興味のある方はぜひ、お店のほうへ足を運んでみてはいかがでしょうか？