歳月を感じさせる韓屋が人目を引く河東館。1939年から70年間、3代の伝統を誇るコムタン専門店だ。料理は100％手作業で、一様な味を維持するためにコムタンを茹でる釜は社長以外には誰にも任せたことがないという。

黒く変色した木看板と大門、そして亀裂が入ったテーブルが河東館の歳月を思わせます。昔ながらの韓国の店の雰囲気を味わうには、１階のひびが入ったテーブルの上でコムタンを食べてみて下さい。

河東館のコムタンのスープは韓牛の胸部の骨、膝、胸肉、ホルモン、カルビ、テール、スネ肉等の色々な部位から成ります。ふつふつと煙が上がっている写真はコムタンスープを茹でている釜です。毎日、決まった分量しか作らないので、通常の営業時間は朝7時から午後4時30分までですが、スープが売り切れれば閉店してしまうのでお急ぎください。

河東館のコムタンが特別な理由はまず、この澄んだスープにあります。他のコムタンと違い河東館のコムタンは澄んでいて透明。そのためさっぱりしているのに、深い味が出ます。韓牛と、内臓からにじみ出た濃い油には体に良い栄養分が濃縮されていて、スープを一口飲むと脂っこさよりも、まろやかさが身にしみます。
 
コムタンの上にのっている内臓（胃袋）と赤身の肉は食感がよく、内臓はコシがあり、噛めば噛むほど内臓特有の香りがし、赤身の肉は薄くスライスされているのでパサパサしておらず、まろやかです。ご飯の上に肉とカクテキ（カクトゥギ）をのせて食べるとおいしいです。
 
河東館は変わらない味を維持し、長年の常連客が多いのが特徴。 国会議員、芸能人、スポーツ選手等、有名人たちもたくさん訪れます。韓国の歴代大統領も河東館のコムタンを好んで食べたが、その中でも朴正煕大統領は河東館のコムタンスープをヘリコプターで済州島まで取り寄せて食べるほどこの店のコムタンの味に魅了されたといいます。

コムタンの次に人気があるのがカクテキ（カクトゥギ）。ソウル式キムチなのでさっぱりした味が特徴です。長年の常連客たちはこのカクテキの汁をコムタンに入れて一緒に食べるのが好きです。そのため、河東館ではカクテキの汁が、やかんにあらかじめ用意されています。カクテキの汁を河東館では「カッグッ」と略して呼んでいます。カクテキの汁を入れるとコムタンの油気が減って、もう少しさっぱり味わうことができます。１度食べると、「カッグッ」を入れずにはいられなくなるかも。カクテキはおかわりが可能です。

メニューはコムタンとスユッ（煮た牛肉）の2つしかありませんが、 コムタンの場合、肉とご飯の量によって注文する方法が3種類もあります。 
1. 普通　　 : 10,000ウォン

2. 特　　　　: 12,000ウォン

3. マッペギ : 10,000ウォン

「普通」はコムタンに肉が6～7種類くらい入り、「特」は最も注文の多いサイズで、内臓（胃袋）と赤身の肉の2種類が入っています。献立にはない、お客さんたちが作った「マッペギ」は、「普通」のご飯の量を減らし、代わりに肉をさらに入れたものです。

※2013年3月現在、「普通」には内臓（胃袋）が入っていません。（2013.3.14）