朝鮮王朝最初の宮「景福宮（キョンボックン）」の離宮として知られる「昌徳宮（チャンドックン）」の後方をぐるりと囲うように広がる「苑西洞（ウォンソドン）」エリア。ここにはかつて、多くの芸術家や文化人が暮らしたとされていて、現在もそのゆえんからか、個人アトリエなどが多く集まっています。今回ワウソウルがお邪魔したのは、そんな苑西洞の街に2014年5月に誕生した雑貨店「MUCHNESSIS（モチニス）」。ウッド作品作家のイ・ジンギョンさんを筆頭に7名の作家さんたちが織り成す、オリジナルアイテムのみを販売するお店です。

ホワイトに統一された店内には、大きな木のテーブルが置かれ、アーティスト別に作品が展示・販売されています。すべて手作業で作られる作品たちは、2つとして同じものはなく、それだけで“特別”なのです。お店はイさんの工房と兼ねられているため常駐はしていらっしゃるそうですが、長時間工房で作業をする時はお店の鍵が掛けられることがあります。事前に連絡をしておけば、確実に店内を見ることができるといいます。

ウッド作品を生み出す作家、イ・ジンギョンさんは元々、注文家具や大型家具を専門に扱っていたのだそう。同じ地域にあるカフェ「DONG4COFFEE（トンネコーヒー）」で使用されているテーブルはイさんの作品だといいます。現在は家具製作も行いながら、日常生活でよく使用されるステーショナリー分野に活動の幅を広げ、それらの作品をここ「MUCHNESSIS」で販売しています。私たちにとっても身近でぬくもりに溢れる木の作品に出会うことができます。

「MUCHNESSIS」は前述したように多彩なアイテムが揃うお店です。ちょっぴりユニークな作品たちが訪れる人々を楽しませてくれます。7名の作家さんたちの特徴も様々で、ロボットアート（金属工芸）、ぬいぐるみ、アクセサリー、編み物、文房具などと、これらのアイテムが一堂に集まっているのですから、本当に見ているだけでも楽しくなってきます！ついつい時間を忘れて、その世界観にハマってしまうことでしょう。

店名の「MUCHNESSIS」は、映画「アリス・イン・ワンダーランド」でジョニー・デップ扮するマッド・ハッターがアリスに向かって言う「You were much more muchier.
You’ve lost your muchness?（君はもっと大したヤツだったのに、そのすごさを失くしちゃったね）」というセリフに基づいたものだといいます。ここでいう“MUCHNESSIS”は“すごいもの”を意味し、ここ「MUCHNESSIS」でも、お店独自のすごいもの、ここでしか作れないものを追求しながら発展していきたいと考えているそうです。お近くへお立ち寄りの際はぜひ、お店のほうへ足を運んでみてください！