ここはソウル・新村（シンチョン）。ソウル随一の学生街として知られるこの街に「ハングルパーク」があります。2005年、その当時では珍しかった“外国人のための韓国語教育専門図書”のみを取り揃え、韓国語を学びたい人であれば誰でも気軽に立ち寄れる書店としてオープンしました。今でこそ大型書店などでもこれらの図書をよく目にするようになりましたが、それもすべて「ハングルパーク」が先駆けであったといっても過言ではありません。書店周辺に点在する有名大学のなかには語学堂が併設されているところも多く、連日たくさんの留学生が「ハングルパーク」を訪れるといいます。学校の指定図書も、ここでは5～15％安い価格で購入できるとあり、学生たちの強い味方としての力も発揮しています。

決して広くはない店内には、見やすく振り分けがされた図書が美しく整頓されています。まだ韓国語に不慣れな方でも、ひと目で目的の図書を見つけることができるでしょう。もちろん「ハングルパーク」のスタッフの方々は日本語が可能。困ったことがあればなんでも相談してみましょう。新刊図書は入り口を入ってすぐの右側に、語学堂別の教科書は壁側の本棚に揃っています。近年は電子辞書が主流となってきましたが、紙の辞書も日本よりも格段に安い価格で購入できるとあって根強い人気を誇っています。

ここには「韓国語能力試験（TOPIK）」の対策書もつねに最新のものが揃えられています。数種類の出版社から、初級・中級・高級別のさまざまな参考書が販売されているので、ぜひ自分にあったものを見つけてみてください。

「わかりやすい韓国語」「簡単に習える韓国語」「韓国の昔話」などといった、韓国語初学者でも手に取りやすい図書も豊富に揃っています。ドラマや舞台のセリフや背景から学べる韓国語も楽しそうです。独学であっても基礎からしっかり学びたいという方には「カナタ語学院」から販売されている「カナタKOREAN」シリーズがおすすめです。

今回ワウソウルスタッフを快くお出迎えしてくれたのはこちら「ハングルパーク」の生みの親でもあるチョン・ギソン代表です。韓国においての日本語教育図書を専門に扱う出版社「（株）シサ日本語社」に創業当時からお勤めされていたというチョン代表は「シサ日本語社」の創業30周年記念に新しく誕生した「ハングルパーク」を任される形で現職に就かれたといいます。当時はまだ韓国語に興味を持つ人は少なく「ハングルパーク」を訪れる人も一部の学生と教員だけで、オープンはしたものの、書店というよりも倉庫のような位置づけだったといいます。近年の韓流ブームや時代の流れで現在のような豊富な図書とたくさんの関心を得られるようになって嬉しいと、チョン代表は語ります。韓国語教育の父のようなチョン代表がいつでも笑顔でみなさんをお待ちしています。

「ハングルパーク」では、実際に図書を手に取ってゆっくり読めるようにテーブルとイス、インスタントコーヒーが用意されています。急がず焦らず、自分にあった1冊を見つけることができるでしょう。また、テーブルの隣にある壁には、韓国語能力試験（TOPIK）の開催日程や、韓国国内においての役立つ情報、日本にいながらも韓国語教育に触れられる施設などを紹介するチラシがたくさん貼られています。これから韓国語を勉強される方や、韓国留学を考え中の方にも参考になる情報が満載なので、ぜひ注目してみてください！