韓国の伝統文化が生きる街、仁寺洞（インサドン）の最寄駅でもある、地下鉄3号線「安国（アングク）駅」。今回は、この駅構内にある韓国伝統膳の専門店「パンギム」にお邪魔しました。お膳、ちゃぶ台、おぼんといった品々は日本でも生活必需品として我々の身近に存在していたものですが、日本と同じく床に座って食事をとる風習を持つ韓国においても、これらの品々は大切に守られてきた文化の一つであるといえます。「パンギム」には一体どんな商品があるのでしょうか？さっそく店内にご案内しましょう。

松の木やイチョウの木といった天然木材を使用する「パンギム」は店内全体が豊かな木の香りに包まれていて、リラックス効果も抜群！ゆっくりと商品を見てみましょう。「パンギム」の商品は、木工芸作家ヤン・ビョンヨン先生の手によって、ひとつひとつ作られる貴重な商品ばかりです。そのため、お目当ての商品があっても売約済みの場合はすぐに購入は難しく、注文制作の後、EMSで自宅まで届けてもらうことになります。実際に、すべて売れてしまっている場合は店内のディスプレイ品でさえも少なく感じることもあるそうです。

天然の木を用いた美しいフォルムを誇る「パンギム」の膳は、重すぎず場所も取らないため一度購入すると長年に渡って重宝できるのが特徴的です。時間が経つことで味わいが増し、使用する人の生活スタイルに溶け込んでくれることでしょう。日本の料理研究家・栗原はるみさんは「パンギム」の膳の大ファンで、もう何度もお店に足を運んでは自身の著書にお店の紹介をするほど。そのほかにも日本のインテリア雑貨等で「パンギム」が大きく取り上げられたことも、韓国国内外からも大きな注目を浴びるきっかけとなりました。

「パンギム」では、お膳やおぼんを作る時の木を丸く削る技術を活かした、日常的に使用できる食器類も販売されています。お膳ともなればかなりの高額になるため、購入をためらってしまう方でも、これらの小物類であればおみやげとしても気軽に購入することができそうです。木製の小物以外にも、陶器の湯のみや美しい刺繍がほどこされた湯のみカバーも人気を呼んでいます。

最後に注目していただきたいもう一つの商品はこちら、お茶です。よもぎ茶と白蓮根のお茶が販売されています。白蓮根のお茶は、韓国でもなかなか目にする機会がない珍しいお茶なのですが「パンギム」で試飲したほとんどの方が購入されていくという、とっても美味しいお茶なのです。一番茶は濃い味、二番茶はほのかな蓮根の香りを楽しむことができ、残った茶葉を捨てるのがもったいない場合は、料理にも使用が可能だそう。「パンギム」の隠れ人気アイテム、ぜひご賞味ください。
価格：白蓮根のお茶30,000ウォン/よもぎ茶25,000ウォン（おみやげ用）、15,000ウォン（自宅用）

「パンギム」の商品を手がけるヤン・ビョンヨン先生は、おもに京畿道(キョンギド)坡州（パジュ）市に構える工房で創作活動を行っておられます。年々「パンギム」の知名度が上がったことで、ヤン先生の作品だと偽った商品が世に出回るようになっているといいます。「パンギム」では直営店、展示会、韓国の「パンギム オフィシャルサイト」以外で商品を販売することはありませんので、くれぐれもご注意ください。旅行中にこちらのお店で30,000ウォン以上購入された方は、TAX FREE（事後免除制度）も適用されるのでぜひ利用してください。