ソウル・西村（ソチョン）。韓国最初の宮廷「景福宮（キョンボックン）」、そして大統領官邸「青瓦台（チョンワデ）」を中心に広がるこの街は、治安もよく穏やかな雰囲気に包まれていて、連日散策を楽しむ人々の姿が多く見受けられます。今回ワウソウルがお邪魔したのは、そんな西村の街に2014年3月にリニューアルオープンした手作りオーガニックジャムのお店「Zenana jam（ゼナナジャム）」。オーナーさんが日本の北海道滞在中にヒントを得て生まれたという、特別なジャムに出会えるお店です。

「Zenana jam」の「Zenana」はフランス語で“女の子のお部屋”という意味を持ちます。その名の通り、店内のインテリアはとても可愛らしく、ここが韓国であることを忘れさせるほどのセンスを感じます。壁紙の一枚一枚にもオーナーさんのこだわりが隠されているのだとか。一歩「Zenana」に足を踏み込むと、おとぎ話の世界に迷い込んだかのようなワクワク感に包まれます。

一口に「ジャム」と聞けば、パンに塗って食べるあのジャムを想像されることでしょう。しかし、本場フランスでは、新鮮なフルーツや野菜を真冬の間中も美味しく食べるために生まれた高級食品として愛されているのだそうです。ただ、パンに塗るという概念ではなく、食材そのものをまるごと味わうというほうが「ジャム」を表現するのにふさわしい言葉なのかもしれません。「Zenana」でも、こだわり抜かれた産地直送の“旬”の素材をジャムにして販売をしています。

一年を通して販売されているジャムには「紅茶牛乳」「レモンコード」などが挙げられますが、やはり注目していただきたいのは季節のジャム。旬の時期にしか手に入らないフルーツに、その量に対して15％以下の砂糖（マスコバド糖）のみを加えた、身体にも優しいオーガニックジャム。防腐剤等は一切使用されていないため、開封後は2ヶ月以内に食べ切ることが望ましく、瓶の中にパンくずなどが入らないように注意することが最後まで美味しく食べる秘訣だといいます。

「Zenana」では、通常のお買い上げ包装（紙袋）に加え、プレゼント包装（3種のジャム用）も行っているため、特別な日の贈り物にも最適！こちら韓国でも旧正月や秋夕（チュソク）にはプレゼント用に購入していくお客さんが多いといいます。老若男女問わず愛される「Zenana」のジャムだからこそ、どんな場面でも喜ばれることでしょう。

毎日11:30と15:00にはお店のまわりを香ばしく甘い香りが包みます。「Zenana」では1日2回、オリジナルスコーンが焼かれるのです。1つ1,500ウォンで販売されていて、もちろんテイクアウトもOK！ジャムとの相性もピッタリで、店内のイートインスペースでは紅茶・ヨーグルトと一緒に楽しむこともできます！

オーナーさんは、フランス・中国・日本に留学経験を持つ国際派！「Zenana」オープンのきっかけには日本が大きく関係しているといいます。2010年度にワーキングホリデーで北海道へ滞在していた時のこと。周囲には広い大地と美しい自然が溢れ、そこでトマトを使用したオーガニックジャムに出会ったといいます。地域の方の教えをもとに、素材にあれこれ工夫を加えて自分でも作ってみたことが「Zenana jam」のはじまりだったといいます。韓国ではまだまだ珍しいジャムの専門店。西村にお越しの際はぜひ一度「Zenana jam」へ足を運んでみてはいかがでしょうか？