ソウルで参鶏湯（サムゲタン）の名店といえば「土俗村（トソクチョン）」というほど有名なお店。他のお店のサムゲタンとは差別化されていることもありますが、韓国の故・盧武鉉大統領が常連としてよく立ち寄ったので“盧武鉉大統領サムゲタン”とも呼ばれ、たくさんの人が訪れるようになりました。景福宮西側の韓屋を改造し、さらに重ね当てる構造で韓国の情趣を満喫できます。有名なだけにいつもお客さんたちでごった返す土俗村には外国人客もたくさん。昼食や夕食の時間にはいつも長い列ができるので、できればその時間を避けるとよいでしょう。

土俗村（トソクチョン）のサムゲタンの味の秘密はスープにあります。4年ものの高麗人参、もち米、かぼちゃの種、黒ごま、かぼちゃ、松の実、栗、ナツメ、銀杏、ニンニク、ひまわりの種と、そのほか土俗村特別の材料3種類を加えて作ったのだそう。ナッツ類も入っているからでしょうか。土俗村サムゲタンはスープが濃厚で味が深いのが特徴です。

酸を分泌させ、消化を助ける人参酒。サムゲタンは栄養価が高い食べ物とはいえ、突然肉を食べると胃に負担がかかり消化によくないので、これを防ぐため人参酒を食前に提供するそうです。

トゥッペギという器のなかでぐつぐつとしたサムゲタンには、スープにナッツ類と黒ゴマ、ネギがふりかかっています。鶏肉は若鶏を使用し、鶏肉のなかにはもち米とともにナツメ、クリ、銀杏、高麗ニンジンが入っています。土俗村のサムゲタンの味は濃いため、塩を入れたりして味を調節しなくても大丈夫です。鶏肉はテーブルに用意されている塩と胡椒を小さな器に適量をいれて、つけて食べてもよいでしょう。価格は15,000ウォン。

皮、身、骨まで黒みがかった烏骨鶏参鶏湯（オゴルゲサムゲタン）。希少性がある素材のため、価格も少々高め。烏骨鶏（オゴルゲ）は一般の鶏より少し柔らかく、モチモチとして油気がおさえられ、さっぱりとした感じがあります。あまり見慣れない食べ物で、しかも黒いため、一見奇妙な食べ物のように見えますが、宮中の補身鶏（身体を健康に保ち栄養価の高い鶏）として韓医書に記録されています。それによると血をきれいにし、精力によい最高の健康保養食です。価格は28,000ウォン。

席に案内されるとき、番号表を受け取ります。食事を終えたら、この番号表を入口のレジへもって行き、提示します。番号番の裏には土俗村サムゲタンのメニューが日本語で書かれています。