近年、地元ソウルっ子たちから注目を浴びるようになったエリアがあります。その名は「西村（ソチョン）」。今回ワウソウルは、玉仁（オギン）ギルと呼ばれる、いわば西村のメインストリートにたつ、一軒の料理店をご紹介します。お店の名前は「南道粉食（ナムドブンシク）」。全羅南道（チョルラナムド）に由来する店名を持つこのお店では、郷土料理のサンチュティギムや、一風変わったオジンオトッポッキなどを味わうことができます。その美味しさから、韓国のグルメ番組はもちろん、数々のブログでも紹介され、お店の前には連日長蛇の列ができます。

20名ほどのこぢんまりとした店内は、オープンキッチンスタイルとなっておりお店の方がせっせと料理を作る様子を伺うことができます。待ち時間が発生した場合は、店内のノートに連絡先を残し、街を散策していてもOK。順番が来たら電話で呼び出してくれるというシステムも配慮の1つでしょう。本来「粉食（ブンシク）」というのは、おやつや軽食を食べられるお店のことをいいます。しかし、ここでは「粉食」という言葉でまとめてしまうにはもったいないほどの手の込んだ料理が提供されています。そのためか、西村の人々に「おすすめのお店は？」と尋ねると、ほぼ90％の確立で「南道粉食！」という答えが返ってきます。
※品切れへの対応と仕込みの時間を確保すべく、15時から17時にはブレイクタイムが設けられています。

「オスントック」とは、オジンオ=イカ、スンデ=腸詰、トック=トッポッキ（餅）の頭文字をとった料理のこと。「南道粉食」の人気メニューです。大きな一杯のイカを腸詰に見立てたその中には、とろーりチーズとパスタがギッシリ！ピリ辛ソースにたっぷりのトックと野菜を絡めて食べると最高です！お鍋ごと運ばれてくるため、テーブルでワイワイ楽しみながら食べることができます。
※「オスントック」は2人前基準のサイズです。

テーブルに運ばれてきたら、しばしそのままの状態で煮込みます。途中、裏返したりしながら備え付けのトングとハサミを使用してイカを大胆に切っていきます。中身が出てきたらトックやスープ、野菜と炒めるようにさらに煮込んで食べましょう。

“「南道粉食」といえば「サンチュティギム」”といわれるほどの高い人気を誇るこちらのメニューは、全羅南道の郷土料理。本来、お肉などを包んで食べるサンチュですが、そこにあえてのティギム（天ぷら）を包んで食べるところが斬新！カリカリサクサクの衣に、イカやエビの具材も大きく、日本人でも親しみやすい味わいです。特製タレにつけて召し上がれ！自宅でも真似できそうなお手軽さもまた、魅力の1つです。

「南道粉食」、いかがでしたか？ワウソウルが訪れた際も次から次へと客足が絶えず、なによりも驚いたのが、お昼休みが短いはずの地元のOLさんたちまでもが並んで待っていたことでした。おもわず「お昼休みがもったいないよ～！」と声を掛けてしまいそうになりましたが、それほど「南道粉食」の魅力が溢れているということなのでしょうか。西村にお越しの際はぜひ一度、お店のほうへ足を運んでみてはいかがでしょうか？ただし、行列覚悟！です。