ソウルにある「鷺梁津（ノリャンジン）」といえば、水産市場がある所で有名ですが、駅を降りたその反対側には「考試（コシ）ゾーン」と呼ばれるエリアが広がっています。「考試」とは、大学入学試験に加え、公務員試験や国家試験合格を目指すことを意味し、韓国の学力社会を象徴する単語として知られています。彼らは、考試のために実家を出て、このエリアに点在するワンルームマンションや「考試院（コシウォン）」と呼ばれる寮のようなところで暮らしながら、昼夜問わず勉強に明け暮れます。

そんな環境で暮らしていたら心配になってくる栄養のバランス。自炊スペースのない場所に住むと毎日外食がかさみ、栄養面でも金銭面でも苦しくなってくるでしょう。そこで誕生したのが、今回ワウソウルがご紹介する「考試食堂（コシシクタン）」。学食のようなイメージでありながらも、回数券を事前に購入しておくことによって、1日3食を安く食べることができますし、なによりも、お母さんの手料理に近いメニューが日替わりで提供されるのが特徴です。こちらの「高句麗（コグリョ）」は鷺梁津にある考試食堂のなかでも最大規模を誇る面積と料理の美味しさから一番人気を得ている食堂です。

朝昼晩と食事のメニューが入れ替わるので営業時間は3タイムに分けられています。ピーク時には、外まで列を成すほど人で溢れかえりますが、11時から12時・14時から14時半・17時から18時・19時から20時は比較的のんびり食べられるといいます。入口付近に本日のメイン料理の看板が立てられ、もうすでに美味しそうな香りに包まれています。回数券がある人は入り口で提示し、一般の方は4,500ウォンを支払えばOK！お皿は1人1枚までというルールがあります。

ビュッフェを一通り通過すると、別の区域にサンドイッチコーナー、ジュースコーナー、ラーメンコーナーが設けられています。それぞれセルフサービスとなっているので、自由に利用しましょう。特におもしろいのがラーメンコーナー。お鍋にお湯をいれてコンロで炊くことのできるシステムなのですが、人気の韓国ラーメンが常に10種ほど用意されているので、好きなラーメンが選べるのが魅力的です。

韓国旅行においてはベターな観光地めぐりが多くなってしまいがちですが、少しディープな世界を見てみたい方や、韓国の若者たちの情熱を感じてみたい方は、一度、鷺梁津エリアを訪問してみるとよいでしょう。考試ゾーンと言われていますが、周辺にはコスメショップやカフェなども多く集まっているので、充分にショッピングや観光を楽しむこともできますよ！