韓国で必ず訪れたい韓式料理店として海外の番組で紹介されるほど、韓国国内だけにとどまらず外国人美食家たちのハートまでも射止めた「皇后参鶏湯(ファンフサムゲタン)」。映画「食客」と「王の男」の料理監督を務めた宮中料理の巨匠、キム・スジン氏が料理に参加し、古き朝鮮時代の宮中保養食の味を再現しただけでなく、料理の盛り付け方や器の一つ一つに宮中の高貴な趣が演出されています。コムタンのような深い味わいのスープを特徴とし、不老長寿の秘薬と呼ばれる“冬虫夏草”が入った皇后参鶏湯は一体どんな味なのでしょうか？

開店してわずか2カ月で東京のテレビ局など海外メディアが韓国で最も注目すべき韓国の食堂として選定されるなど、国内だけでなく外国の美食家たちの心をつかむ皇后参鶏湯は有名人たちが好んで訪れるお店として有名です。店内に入ってみると壁面には皇后参鶏湯を訪問した芸能人や著名人たちの写真がぎっしりとたくさんかけられています。

チャンネ・サンサム(山参)という山の奥深くに野生する高麗人参と、活あわび、精力剤としても知られるイカリソウを添えた皇后参鶏湯。サムゲタンの上にまるで息をひそめるかのようにそっと置かれたチャンネ・サンサムの葉がとても美しい色合いで、これを一番最初に食べてみましょう。皇后サムゲタンのスープは不老長寿の秘薬という別称があり、冬虫夏草などいろいろな韓薬材を入れ、18時間煮込むとスープの色が若干鮮やかな黄色みを帯びるのが特徴。またスープが見た目よりもこってりして見えますが、食べてみるとあっさりしていてまろやかです。韓薬材がたくさん入っていると聞くと、香りが強くないかと少し気になりますが、そんな心配もつかの間。ほのかな韓薬の香りを味わえば味わうほど、魅力的に感じられます。価格は38,000ウォン。

鶏のスープに入っている韓薬材の一部。

ここではサムゲタンなど料理が出てくる前に「ファンジュ」とよばれる食前酒が出ます。この「ファンジュ」は柿でつくられたお酒で、食酢成分が入っており食欲を増進させる役割をもつ飲み物です。つきだしのおかずはペッキムチ、玉ねぎの醤油煮、カクトゥギの３種類が出てきますが、すべておかわり可能です。

チョゲタン(醋鷄湯)とは酢(チョ)、からし(ゲ)、スープ(タン)を意味します。宮中の食べ物で夏に食べる珍味で、保養食とされた食べ物のひとつです。暑い夏、疲れた体にエネルギーを与えてくれる鶏のスープと酢、カラシを入れて鶏肉、牛肉、松の実、きゅうり、キノコを添えて作ります。チョゲタンは麺とスープが別々に出てくるので、スープに麺を入れてよく混ぜてください。

* Large: 30,000ウォン(3～4人分) * Medium: 22,000ウォン(2～3人分) * Small: 14,000ウォン(1～2人分)

宮中の秘法を受け継ぐ名品サムゲタンを作りたい、という深い思いが味となってお客たちを感動させ、その味が口から口へと伝えられ有名になった皇后参鶏湯。多様な材料が入っており、この店だけの味を出すことも重要ですが、なによりも新鮮で質の良い材料が土台となっているからこそ出せる味なのです。韓国に来たら必ず食べてみたい料理、サムゲタン。皇后参鶏湯はいかがですか？食べてみてきっと後悔しませんよ。