ソウル・北村（プクチョン）。隣接する三清洞（サムチョンドン）とともに、外国人旅行者にも人気の高いこのエリア。近年、おしゃれなカフェが増えつつあるなかで2014年6月、韓国の伝統美を生かした韓屋（ハノク）カフェ「ハヌルサダリカフェ」がオープンしました。ここは、ブックカフェとしても知られる上に、北村散策を行うすべての方が気軽に立ち寄れ、ひとやすみできる空間を提供しようというオーナーさんの思いが込められて誕生したお店です。

お店は韓国の伝統家屋である韓屋を素材に、内部のインテリアは現代モダンにリフォームされているのが特徴。やさしい木のぬくもりに包まれながら、時間が過ぎ行くのも忘れて、のんびりくつろげる空間が広がっています。本棚には心身修練のための書籍が多く収められているのですが、それらは韓国、中国、日本のものから、英語解説の珍しい修練書までもが揃っていて、多くの人々がこれらを目当てに訪れるといいます。

「ハヌルサダリ」が他のカフェと異なるのは、そのメニューにあります。一見一般的に思えるメニューも、そのほとんどすべてがハヌルサダリオリジナル。口にするすべての方の健康を願い、身体によい素材を厳選して、オーナーさんが愛情を込めて作り上げます。
こちらは、日本のきなこもちに当たる「インジョルミ」に、手作り小豆と柚子ペーストが加えられた「インジョルミタンパッボムリ」。お茶のお供にぴったりのおやつです。

「ハヌルサダリ」で人気なのは、お茶。ここでしか味わえない珍しいお茶が豊富に揃います。なかでもこの「よもぎ茶」は、朝鮮の建国神話（壇君神話）にも登場する“よもぎ”が使用されたもので、そのすっきりとした風味は身体全体をリフレッシュさせてくれるイメージ。また、季節のフルーツを使用したフレッシュジュースも大人気で、果実がまるごと使用されているため満腹感も充実！美味しいフルーツを美味しいシーズンに！これが鉄則ですよね！

韓国では、フルーツや野菜を自宅で漬け込み、お茶にすることがよく知られています。それを代表するのが「ゆず茶」などです。ここでもそれらのお茶を楽しむことができます。「ライム茶」は、新鮮なライムをまだ砂糖になる前段階の、身体によい“サトウキビ糖”といわれる甘み成分に漬け込んで作られます。アイスでもホットでも楽しめるライム茶は、「ハヌルサダリ」の代表メニューのひとつです。

「ハヌルサダリ」とは日本語で「空のハシゴ」という意味を持ちます。北村の中心に位置し、人々の散策にそっと手を添えてくれるような、そんなカフェです。疲れた時は気軽に立ち寄り、ひとやすみができるようにと入り口付近には小さな休息空間が設けられていますし、店内には靴を脱いで足を伸ばせるミーティングルームも用意されています。小さなお子様連れや団体のお客様にもご利用いただけます。（※ミーティングルームは事前予約をいただくと確実にご利用いただけます）今後は、ここで小さな展示会や音楽会なども開いていきたいというオーナーさん。単なるカフェではなく、韓国の伝統を伝えられる文化空間としての役割も果たしていきたいそう。
北村へお越しの際はぜひ一度「ハヌルサダリカフェ」へ足を運んでみてはいかがでしょうか？