ソウル・鍾路（チョンノ）。苑西洞（ウォンソドン）と呼ばれるこのエリアは、古より芸術家や文化人が暮らしたとされる街です。昌徳宮（チャンドックン）の後方から伸びる地域一帯には、2008年頃を境に個人経営のお店がぽつりぽつりとオープンし始めましたが、そのどれもが芸術センスに富んだお店ばかりです。今回ワウソウルがご紹介するのは、そんな苑西洞の街に2009年にオープンしたカフェ「DONG4COFFEE（トンネコーヒー）」。平凡なカフェでありながらも、人々を惹き付けるその魅力に迫ってみたいと思います。

「DONG4COFFEE」という店名を分解してみると、韓国語で“トンネ”とは“地元や生まれ育った地域”という意味を持ちます。また異なる尺度から見た時の“トン”は“東”を位置し、その“東”は“韓国”を意味するそう。「韓国（トン）に4（ネ）名の人が集まるカフェ」ということになります。“4名の人”とは、私・あなた・私たちを意味するといい、ここに集えば誰もが友達になれるという願いも込められているといいます。まさに“トンネ（地元）”の公園のように誰もが気軽に立ち寄れ、人と人とが親しくなれる、そんなお店を目指しているのだそうです。

サンドウィッチやスイーツなどの軽食も楽しめる「DONG4COFFEE」」。しかし、なによりもおすすめしたいのはやはり、コーヒーだといいます。心がすっきりしない時はコーヒーを一杯飲むことで落ち着くことができるのだそう。その次におすすめなのが、世界中のどこを探してもここでしか出会うことのできない「テチュ（ナツメ）ラテ」。韓国料理では風味を出すためによく使用されるナツメですが、これをラテにしてしまうというのはオーナーのご友人のアイデア！甘すぎず後味はすっきり、でもしっかりジュースを味わってる！という、なんとも魅力的な一杯です。

1人で立ち寄っても疎外感を感じることもなく、落ち着いて過ごせるのが魅力の「DONG4COFFEE」。ノートパソコンを開き、本を読み、思い思いの時間を過ごせるとても貴重な空間です。特別に変わった点はないけれど、それこそがこのお店の魅力だと考える常連さんも多く、誰もが一度訪れると、また足を運びたくなるパワーを持っているお店です。ぜひ、苑西洞の散策の際には「DONG4COFFEE」」をお忘れなく！