ソウル・西村（ソチョン）。地下鉄3号線「景福宮（キョンボックン）駅」から少し歩いたところに広がる静かなこのエリアですが、実はグルメにショッピングとあらゆるお店が集まり、今じわじわと人気を呼んでいるスポットでもあります。今回ワウソウルがご紹介するのは、西村のメインストリートともいえる「玉仁（オギン）ギル」を奥へ、奥へと進んだところにある「ポンダッ」。多彩なチキン料理に加え、お酒のお供にぴったりのおつまみも揃うお店です。

西村という地域には、韓国の伝統家屋である「韓屋（ハノク）」が現存し、それらの構造を生かしたまま、お店や住居として使用されている様子が多く見受けられます。ここ「ポンダッ」も約100年前の韓屋に最低限のリモデリングのみが施されていて、その風情溢れる空間をまるごと感じ取ることができます。店内では、絵画の展示が定期的に行われていて、まさに、昔ながらの雰囲気と芸術、美味しい食事が同時に楽しめる、オールマイティーなお店なのです。

いよいよ、お料理のご紹介です。ここ「ポンダッ」では、通常のフライドチキンとは異なる製法で作り出される「クイ（オーブンで焼きあげる）チキン」が自慢！油っこくなく、あっさりと食べられるフライドチキンも安定の人気を誇ります。ともに、ミネラルたっぷり3種の特性塩（カレー・緑茶・胡椒）と、ピリ辛ソースに付けて楽しむのがポンダッ流！手作りのキャベツピクルスにも、ついつい手が伸びてしまいます。

そのチキンが登場すると、まずはビジュアルで驚かされること間違いなし！その名も「アルプムポンダッ（卵を抱いた鶏）」。鳥の巣風に敷き詰められているのは、細くスライスされたポテト。そして、鶏が抱えているのはうずらの卵！電気オーブンで焼き上げたあとに、少しだけ油で揚げて完成するこのチキン。香ばしい衣の風味を楽しんだ後にやってくるピリ辛の柔らかい身が絶品で、一度食べると病み付きになってしまうことでしょう！

・アルプムポンダッ：12,000ウォン

なんといってもチキンやさんの醍醐味はフライドチキン！「ポントンダッ」は、カリっとサクっと揚がっているのに食べやすく、幅広い世代のお客さんたちから愛されている一品です。

続いて、チキンとチキンの合間にさらに食欲を増進させてくれるのが、この「コルベンイ（つぶ貝）」の和え物。そうめんに絡めて食べると、瞬時にして口のなかがさっぱり！お酒のお供にもぴったりの一品です。

・ポントンダッ（写真左）：14,000ウォン/・コルベンイ（写真右）：18,000ウォン

「ポンダッ」には、チキンのほかにも忘れてはいけないメニューがあります。それは、夏にぴったりの清涼デザート「ピンス（かき氷）」！日本のそれに比べるととても派手で、種類も多いとされる韓国のピンス。ここには、ピンスのみを担当する「コンミナム（花男子=美男子）」さんがいて、愛情込めた「コンミナムピンス」を味わうことができるのです！ピンスは3種からなり、スジョンコッピンス（干し柿・シナモン）、タンパッコッピンス（小豆）、ユジャコッピンス（柚子）を楽しめます。価格はそれぞれ5,000ウォン。食後のデザートにいかがでしょうか？

お店が西村にオープンしたのは、去る2014年3月のこと。周辺にコンビニなどの商店が少ないために、地域住民の方々に向けたタバコ店を経営しながら「ポンダッ」のオープン準備を行ったといいます。お店では、先ほどご紹介した「コンミナムピンス王子」をはじめ、東京に20年暮らしたことのある室長さん、チーム長さん、エネルギッシュなアルバイトさん、とっても優しいオーナーさんが毎日和気あいあいと「ポンダッ」を盛り上げています。西村へお越しの際はぜひお店へ立ち寄って、美味しいチキンとそのパワーを味わってみてはいかがでしょうか？